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明神池の海面



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萩の明神池(みょうじんいけ)。標高112mの笠山という小さな火山のふもとにある明神池は、県道294号線から少し入った所にある海水の池。笠山という名前は、市女笠(いちめがさ)に似ているところから名付けられました。

 

市女笠って平安時代以降の女性の代表的なかぶり笠です。そういえば時代劇で見たよ~な。

いちめがさは平安時代以降の女性の被り物

 

菊ヶ浜から見える笠山

菊ヶ浜から見た笠山です。どうです?市女笠に似てますよね。

 

話は明神池に戻りますが、いくら海に近い明神池とはいえ「え?何で海水なの!」と、不思議に思いませんか。

明神池は大池・中の池・奥の池の3つの池からできていて、溶岩の塊の隙間から外海の海水が潮の干満によって出入りしてるんですね。

 

その昔、笠山は小さな島でした。その後(萩の)本土との間に砂州ができて陸続きになったんですが、その時に埋め残されたのが明神池。

 

明神池には萩藩の2代藩主毛利綱広が、安芸(広島)の厳島神社を勧請して分岐した小さな神社があります。この出来事から明神池と呼ばれるように。

 

ところで明神池という地名は、上高地にもあります。神様が住みそうな池とはいかにも日本的な名前で、日本中のあちこちにまだまだありそうな名前です。

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明神池をおすすめしたい人

 

観光地萩を訪れ、さて何処に行こうかと考えた時、第一候補になるのは吉田松陰が祀ってある松陰神社です。

 

明治維新の原動力となった多くの志士を排出した吉田松陰の松下村塾のある場所。松陰神社を訪れなければ、萩を訪れた意味が半減してしまう程の観光スポットに間違いありません。

 

松陰神社をたっぷりと見学したあと、さて次は萩の自然にも触れたい気持ちになった人は、ぜひ「笠山」の麓にある明神池とその周辺をおすすめします。

 

この記事で伝える内容
  • 明神池は外海とつながっていて、潮の干満がある。
  • 明神池の神社は広島の厳島神社を分祠したもの。
  • 自然の水族館である明神池には沢山の海の魚がおり、クロダイ、メジナなどが自然孵化している。
  • 「海水魚」も「とんび」も餌をもらいにやってくる。
  • 食事は「いそ萬」がおすすめ。
  • すぐ近くの「風穴」は夏はかなり涼しく快適で、暑さにうだった身も心も蘇ります。
  • 小さな休火山が作り出した池の周囲には、美味しい食事処、萩ガラス工房、椿原生林、美しい海があります。

明神池の厳島神社では猫たちがゆうゆうと生活しています。

厳島神社

毛利綱広が信仰していた厳島明神。

明神池にある安芸(広島)の厳島神社を分祠してできた厳島神社の鳥居をくぐろうとした時に足元の動物達に、え!?と驚きました。

厳島神社の鳥居の下にくつろぐ野良猫たち

厳島神社の鳥居下の猫

厳島神社の鳥居の下には野良猫たちが横向きで倒れてピクリともしません。猫の間近に近づいても全く動きません。まさか死んでる!?気温も高いので腐臭を気にして鼻から息を吸うのさえためらったほどです。

 

でもやがて一匹が目を開け頭をもたげました。「生きてるぞー」心底ホッとしました。ここを訪れる旅行客が優しく餌をくれたりして苛めたりしないんでしょう。一匹はお腹が大きく妊娠しているようで、思わず「めでたいネー」と呟きました。

 

厳島神社

小さな厳島神社。二礼二拍一礼をして参拝しました。

 

明神池は潮の満ち引きがある海水の池

 

池は溶岩のすき間を通して外海と通じているので、潮が満ち干きします。

池の中には漁師が漁の安全と豊漁を祈願して、ボラ、石鯛、マダイ、エイ、コチ、スズキなど多くの海水魚を放ち繁殖し、天然の水族館と呼ばれています。

 

明神池に住む魚

子供を連れて明神池を一周してみてください。普通魚は人間が近づくと逃げるのに、面白いことに明神池の魚は近寄ってきます。

 

おそらく多くの観光客が餌を上げるので、人が近づくと餌を貰えるという条件付けができてるんですね。ちなみに釣りは禁止です。

近寄るのは魚だけではありません。多くの鳶(とんび)が飛びながら近寄り、投げられた餌を空中で上手に爪でキャッチします。

観光客が餌をやって楽しみ鳶がショーを演じてる明神池。

 

明神池と風穴(かざあな)

風穴のお店はまだ閉店中

 

厳島神社から少しだけ奥に入ると、暑い夏に涼しい空気が吹き出す「風穴(かざあな)」と呼ばれる「避暑」の地があります。夏の暑い時期には地獄に仏とはこのことだネという気持ちになるほど涼しいんです。

 

夏はこの風穴にランチを食べられるお店が開店するので、涼みながら美味しい海の幸を堪能するのも良いですね。夏にならないと食堂は営業しないので、今日は老夫婦と私以外は誰も訪れていませんでした。

 

ところで、風穴はなぜ涼しいのか不思議です。その理由は、まず冬の間に冷たい空気が溶岩の隙間に入り込みます。次に夏になると暖かい空気が溶岩の隙間に流れ込み、同時に冬の間に溜め込まれた涼しい空気が吹き出るからです。

 

5月26日の外気温は27度くらいあるかなり暑い日でしたが、風穴では10度。まさに別天地です。

 

風穴から帰路につく

風穴を出て歩いていると突然目の前に明神池が広がります。

風穴の近くから見た明神池

明神池で食事なら「いそ萬(いそまん)」

いそ萬

いそ萬:0838-26-6420 (← タップすればスマホから電話できます)

明神池のすぐ傍に「いそ萬(いそまん)」があります。磯料理がとても美味しいと評判の店。1週間前にランチを予約しようとしても満席でとれなかったことが2度も続きました。

今回は3週間前にやっと席がとれました。

 

いそ萬の明神池定食

萩に訪れたらここの食事はおすすめです。魚料理は刺し身にしても煮魚にしても普通に美味しいです。

ただ、家族の食べた天麩羅は、やけにイカの量が多かったのには不満でした。イカを減らして他のものを増やしましょう。

 

得に高齢者同伴だったので、食べるのに苦労してましたから。でもおしなべて、他では食べられないほど美味しいというほどではありませんが、普通に美味しいです。

 

 

いそ萬で食事をしたら魚の餌(食パン)を魚と「とんび」に上げてみよう

とんびにパンを投げる

1階で食事代を精算したら、ぜひ魚の餌(食パン)を店でもらってください。明神池の魚にやるのはもちろん、近くに待機している「とんび」も空中で食パンをキャッチします。

 

明神池で食パンを投げると鳶がキャッチする

明神池の豊富な魚種

 

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明神池の近くにあるおすすめの観光ポイント

  • 萩ガラス工房
  • 風穴
  • 笠山椿の原生林
  • 食事処「いそ萬」

城下町萩と松下村塾とは全く趣の違う自然そのものに出会えますし、人気の高い「いそ萬」で美味しい食事を食べることができます。

ただ、かなり前から予約しないと食べることができません。早めに予約をしてください。

 

まとめ

明神池は、溶岩の隙間から外海の潮の干満によって潮位の変化があります。海水魚が明神池の中で自然孵化して世代を交代している珍しい池です。

近くには、美味しいことで有名な「いそ萬」や夏でも涼しい風穴、冬には椿原生林を楽しめます。

萩ガラス工房があり、城下町萩とは違った萩を見ることができます。

 

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