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梅雨明けいつ

梅雨明けいつ

陰暦五月の雨「五月雨(さみだれ)」の「さ」は田植えの古語、「みだれ」は水垂れ。梅雨のことを言っているんです。

梅雨は、昔から日本の季節をあらわす用語であり、人それぞれが毎年体で感じてきたものでした。

日本では、6月頃になると「梅雨入り」夏休みが始まる頃に「梅雨明け」が気象庁から発表されます。

「梅雨入り」「梅雨明け」は、気象庁の業務の1つなのです。

しかし、個人個人が抱く梅雨というイメージには違いがありますよね。

梅雨入り後の晴れ間、天気図などによって、梅雨入り、梅雨明けの発表に、「なぜ?」「もう明けてるのでは?」など疑問を持つ声も毎年あります。

 

梅雨入り宣言と災害

梅雨入り発表は、大雨による災害が発生しやすい為、注意喚起をするのが大きな目的になっています。

では、この梅雨入り梅雨明けは、各地方の気象台の予報官(人気の気象予報士さんではありません)が資料と1週間程度の予報を見ながら検討し発表しています。

では梅雨の情報と予報官がどのようにして「梅雨入り梅雨明け」を決められているのかお伝えします。

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梅雨入り、梅雨明けはどのように決めるのですか?

 

実際には、梅雨入り、梅雨明けは「頃」であり、確定日ではありません。各地方にある気象台の観測結果と、1週間後までの中期予報を組み合わせて決めます。

 

晴れの日が続いている日から、今後の雨模様の中期予報を出し、実際に雨が降りだした日が梅雨入りです。

逆に、雨の日が続いている状態で、晴れが続く中期予報を出し、最初に晴れ始めた日が梅雨明けになります。

 

梅雨の入り明けは「梅雨の時期に関する気象情報」としてまず、速報値が発表されます

ですから、季節の移り変わりが不明瞭のため、梅雨入り、梅雨明けの確定値が発表されなかった年もありました。

 

現在は、梅雨明け発表の期限は、季節感を考慮した上で、暦の上の「立秋」の2日先までになっています

 

梅雨入とはどのような状態?

梅雨前線

梅雨は、四季がある日本の気候の大きな特徴の1つです。

季節が春から夏へと移り変わるとき、雨が多くなり日照時間が少なくなる現象を言い、天気図では、日本付近に梅雨前線が停滞します。

 

梅雨入りは、今までの天候+その先一週間の予報から、雨や曇りの日が多くなり始める頃発表されますが、具体的な雨量の基準などはありません。

さらに梅雨入には、平均すると5日間程度、移り変わりの期間があります。

 

梅雨明けとはどのような状態?

 

梅雨前線が日本付近から移動し、季節が梅雨の天候から、晴れた夏の天候へと変わる頃が、梅雨明けです。

梅雨入りすると、梅雨前線は、帯状になっている雨雲を南北に移動させ、九州~東北地方へ北上していきます。

こうして、約40~45日間後、南から梅雨明けしていきます。

 

誰が梅雨明けを決めるの?

 

気象庁の予報用語で「梅雨」は、晩春から夏にかけて雨や曇りの日が多く現れる現象、またはその期間、と定義されています。

梅雨入りを発表するのは、各地方の気象台です。予報官が資料と1週間程度の予報を見ながら検討し発表します。

テレビで人気の気象予報士さんには、発表の権限はありません。

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なぜ梅雨明け宣言が外れるの?

 

日本では、徐々に梅雨前線が北上していきます。期間中の雨量は、同じ梅雨と言っても地域差があるのです。

6~7月に降る雨量は、青森では200ミリ弱ですが、鹿児島では800ミリ近くになります。

梅雨の定義には、3つの要素がそろい、それらが天気図上に登場するのが基本。

梅雨の定義

  • 南の高気圧
  • 北のオホーツク海高気圧
  • その間の前線

しばらく曇りや雨が続くと、梅雨入りですが、梅雨入り、梅雨明け宣言と呼ばれるこの発表、みんなが気づいているように、実は結構曖昧なものなのです。

しかも期間中、天気予報の的中率が低くなります。その原因は、春や秋の低気圧と梅雨前線。

春や秋の低気圧と梅雨前線では、規模や動き方が大きく異なるためです

 

梅雨前線と低気圧の違いは?

 

春や秋の低気圧と梅雨前線では、規模や動き方が大きく異なります 

春や秋の低気圧の規模は1000キロ単位、広い範囲を雨雲が覆います。

雨雲は西~東へ移動するため、雨量や時間帯は多少外れても、予報が外れる事はほとんどありません。

一方、南北方向の梅雨前線の規模は、低気圧の10分の1程度の100キロ単位

しかも雨雲は細い帯状に広がり、南北に移動するため、梅雨前線がかからない事が起こります

雨雲のすぐ北側は薄曇りや晴れのエリアになるため、予想外の晴れになってしまうのです。

  • 南北方向の雨雲のエリアが狭い
  • 南北方向の上下動が定まりにくい

 

梅雨前線の特徴により、梅雨時期の天気や梅雨明け宣言は外れる事が多いのです。

予想外の雨や晴れは、気温を大きくブレさせます。この時期は、傘、日焼け止めクリーム、薄手のカーディガンの用意をお忘れなく。

 

梅雨明け宣言をする意味はある?

 

梅雨明け後の災害

梅雨明け宣言があると、本格的な夏が来たイメージで楽しくなりますが、梅雨明け宣言後の豪雨によって、災害に見舞われることもあります。

梅雨明け宣言には何の罪もありませんが、「どうして梅雨明け宣言しなければならないのか」と疑問も生まれます。

実のところ、梅雨入り、梅雨明けの発表は、一時やめようとした事もあったようです。

しかし、結局やめられなかったのは、継続を求める意見が多く、防災情報という位置づけの為。

日本人は季節に敏感で、天候の変化はきちんと知りたいという人が多いようです。

気象庁としては、梅雨入り、梅雨明け宣言は毎年の正確な資料として、意味があるものではないでしょうか?

 

まとめ

梅雨時期は、大雨による災害が起こりやすくなります。

また、夏本番にむけて必要な農業用水等を蓄えるため、大事な時期です。

梅雨入り宣言、梅雨明け宣言は、当たっても外れても、社会的に関心の高い事柄と言えるでしょう。

 

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