食材の多くは、冷凍する事によって栄養価や風味が失われ、美味しさも半減するのが普通です。
不思議なことに、しじみは冷凍することで栄養価が増し美味しくなることが証明されています。
実際、台湾や韓国では、昔からしじみを食べる前に、凍らせていたそうですから、しじみのこの特徴について深く知っていたのでしょう。
それでは、どうしてしじみを冷凍すると、栄養価がアップして美味しく食べられるのでしょうか。
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しじみを冷凍すると栄養が増える
しじみは冷凍する事によって、細胞が壊れ旨味成分のグルタミン酸やアラニンが増加します。
更に、しじみに含まれる栄養成分のオルニチンは約8倍に増えるんです。
グルタミン酸、アラニン、オルニチンが増える事で、美味しさが倍増するんですね。
オルニチンは肝機能を助けるし、旨味成分でもあるので、しじみの要とも言える成分です。
オルニチンは、日常的に食べる食材にも少しですが含まれていますし、身体の中にも存在し特に肝臓で活躍しています。
遊離アミノ酸の一種で、血液に溶け込んで体内を巡り、肝臓で有害物質の解毒作用を行います。
しじみを冷凍すると、なぜオルニチンが増えるのかは謎です。
しじみを冷凍すると味が良くなります
しじみを美味しくするポイントは2つあります。
1 空気中に放置する
しじみの砂抜き後、水から出し6時間程度放置するだけで美味しさが増します。
しじみにとっては、水のない空気中は無酸素状態です。
強いストレスのもと旨味成分のコハク酸を出し、しじみの中に蓄積されていくので、美味しくなるという訳です。
- 水から出した後でも、多少の湿気が必要なので、濡れフキンをかけましょう。
- 放置時間は3時間~6時間が目安。それ以上は、逆に味落ちしてしまいます。
- 夏場は気温が高くなるので冷蔵庫で放置しましょう。
2 しじみを冷凍する
冷凍する事で、旨味成分、栄養成分が増えます。
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しじみの上手な冷凍方法と冷凍期間
それでは、しじみを美味しく食べる為の冷凍方法を紹介していきます。
1 砂抜きする。
スーパーで砂抜き済みとして売っているしじみは、そのままで大丈夫です。
砂抜き必要、何も書かれていない、獲ってきたしじみなどの場合は、必ず砂抜きしましょう。
砂抜き後のしじみは弱ってしまいますから、調理する5~6時間前がベスト。
2 砂抜き後、流水でしじみ同士をこすり合わせるように洗い、汚れを取ります。
3 洗い終わったら、3時間程度空中に放置します。
バットに広げ、乾燥しないように濡れふきんやキッチンペーパーをかけておきましょう。
空気中に放置する間に、旨味成分のコハクがたくさん分泌されます。
4 フリーザーバックやビニール袋に入れます。
- 冷蔵保存期間 :美味しく食べられる期間としては、夏場は3日、冬場は1週間程度。
- 冷凍保存期間 :1ヶ月~2ヶ月。
使う時は、使う分だけ取り出し、水洗いしてそのまま使えます。再冷凍はNG。
シジミを冷凍する前に必ず塩水で砂抜きをする
しじみを美味しく食べる為に大事なのが砂抜きです。砂抜きが不十分だと料理が台無しになります。
しっかりとしじみの砂抜きをして、冷凍して旨味と栄養を増やしましょう。
<準備するもの>
- ボール
- ボールの中に入る大きさのザル
- 塩
- 水
<手順>
- 1、1リットルの水に対して約10gの塩を入れた塩水を作り、ボールに入れます。
- 2、しじみを、重ならないようにザルに並べます。
- 3、塩水の入ったボールに、しじみを並べたザルを入れます。ポイントは、ザルとボールの間に隙間をつくる事。
- 4、暗いところに置いておきます。夏場:3~4時間、冬場:4~5時間。ポイントは長時間置きすぎない事。
- 5、手塩をつけ、しじみ同士をこすり合わせるように流水で洗い汚れを落として下さい。
- 6、砂抜き終了です。
私たちが食べているしじみは、海水と淡水の混ざった汽水域に住んでいます。
産地の水域によって塩分濃度は違いますが、おおむね0.3~0.5%位です。
1%の塩水は少し濃い塩分濃度ですが、この濃い塩水にしじみを浸けることで、
しじみは体内と塩水の浸透圧を同じにしようとグリコーゲンなどを分解するので、旨み成分が増すのです。
真水でしじみの砂出しをすると、しじみの持つ旨み成分であるコハク酸、アラニン、グルタミン酸が流れ出てしまいます。
ザルとボールの間の隙間は、底に溜まったしじみが排出した排出物を、しじみが取り込まないようにする為です。
以上のしじみの砂抜きをまとめてある動画です。
まとめ
しじみを冷凍すると、栄養価が増し美味しくなるというのは、驚きです。
砂抜きをきちんとおこなって、この方法で保存すれば、旨味も栄養価も高いしじみを食べる事が出来ます。
しじみを食べる前には、まず冷凍して調理しましょう。
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