お茶には、緑茶、煎茶、玉露、番茶と色々ありますが、違いを知っていますか?
これだけ身近でよく聞く言葉なのに、その違いが良くわからないお茶の種類について知らない人が多いようなのでまとめました。
まず、緑茶は日本茶全般の総称のことで、茶葉を摘み取って直ぐに発酵を止める不発酵茶を指しています。
緑茶の中には煎茶、玉露、番茶、抹茶、ほうじ茶等が含まれています。
日本人が好んで飲んでいるのが煎茶ですが、煎茶は緑茶の中の一つの種類という事になります。
煎茶や玉露のお茶の木は同じですが、栽培方法が違う為に味わいに違いが出て来るのです。
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緑茶の種類について
煎茶とは
新芽が出てから摘み取りまでの間、ずっと日光を浴びて育ったのが煎茶です。
お茶の葉は、日光を浴びると光合成が起こり、渋み成分のカテキンが増加します。
逆に光合成を抑えると カテキンの増加が抑えられ、旨み成分のテアニンが増えるのです。
よって日光を浴びて育った煎茶の特徴は、程よい渋みと爽やかな香り、すっきりとした味わいと言えるでしょう。
玉露とは
光合成の働きを抑制するために、玉露は日光を遮って栽培されます。
早ければ新芽の出始めの頃、もしくは収穫の約3週間前から、70%前後の遮光率から始まり、茶摘前には90%以上の遮光率で育てられます。
新芽は光が少ない状態で育つので、カテキンの生成が少なくなりテアニンが増えます。
結果、渋みが少なく旨みが豊富な味わいになるのです。
茎茶とは
新芽の茎だけを抽出したお茶で棒茶とも呼ばれます。特徴は独特のさわやかな香りと甘み。
雁ヶ音(かりがね)、白折(しらおれ)と呼ばれる茎茶は、玉露等から採った高級な茎茶のことです。
番茶とは
番茶の原料は、新芽が伸びて硬くなった茶葉、夏以降に収穫された三番茶、四番茶と言われる茶葉、枝を整形したときの茶葉、煎茶にならない大きな葉などです。
ふだん使いの、下級煎茶のことをさしています。
ほうじ茶とは
緑茶に含めないこともありますが、煎茶や番茶などを強火で炒って香ばしさを出して製造したお茶です。
高温焙煎するため、旨み、カテキン、カフェイン、ビタミンCは煎茶よりも少なくりますが、香ばしくさっぱり、すっきりとした軽い味わいになります。
子供~お年寄りまで飲みやすく、食事や就寝前にもおすすめです。
玄米茶とは
水に浸し蒸した玄米を炒ったものに、番茶や煎茶などを同量程度加えたお茶です。
特徴は、玄米の香ばしさ+番茶や煎茶のさっぱりとした味わい。カフェイン量が少ないので、子供~お年寄りまで飲みやすいお茶になっています。
抹茶とは
出荷する前の碾(てん)茶を、石臼で挽いたものが抹茶です。
では、碾茶とはどのようにして造るのでしょう。
茶葉は玉露と同じように遮光して栽培されますので、柔らかく鮮やかな緑色になり、渋味が少なく甘味や旨味が強いお茶になります。
摘み取られた茶葉は酸化を止めるため蒸気で蒸し、風で冷却された後、乾燥炉で乾燥させます。
こうして出来上がったのが、荒碾茶と言われるものですが、荒碾茶から茎や葉脈を取り除き、形を揃えたものが碾茶です。この碾茶を石臼で挽けば抹茶が出来上がります。
煎茶と抹茶との違いとしては、煎茶は茶葉をお湯に浸すことによって成分を抽出しますが、抹茶の茶葉は乾燥して粉末になっていることです。
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緑茶のカフェインの量について
緑茶の種類によってカフェイン量は違いますが、若い芽程多く含まれます。
100gあたりのカフェインの目安量は以下の通りですが、銘柄や入れ方によって違いが出ます。
- 玉 露 :160㎎
- 煎 茶 :20㎎
- ほうじ茶:20㎎
- 番 茶 :10㎎
- 玄米茶 :10㎎
カフェインはお茶の苦み成分で、チャノキから摂れる茶葉には必ずカフェインが含まれます。
緑茶の種類によってカフェイン量は違い、若い芽程多く含まれ、銘柄や入れ方によっても大きく違いが出ます。
苦くて濃いお茶になる程、カフェインの量は多いのです。
緑茶は、50度~60度の低温だと、カフェインの溶出が抑えられ、旨み成分が出ます。逆に80度以上の熱湯だとカフェインの溶出量が増えます。
玉露や抹茶などは低温で入れることで、美味しいお茶が頂けるということです。
煎茶の一番茶と二番茶とでカフェインの量が違いますか?
お茶は1年作物。一番茶とは、その年最初の新芽を摘んで作ったお茶のことで、新茶とも呼ばれます。
一番茶の後は、摘み取った順番で、二番茶、三番茶と呼ばれていきます。
一番茶は二番茶よりも、香りが新鮮で味わいも爽やか、品質も良く、摘み取りを繰り返すうちに、栄養分は低下していきます。
お茶は新芽で作りますから、いわゆる番茶ではありません。
- 一番茶 :4月~5月にかけて摘んで製造されるお茶
- 二番茶 :6月に摘んで製造されるお茶
- 三番茶 :7月~8月にかけて摘んで製造されるお茶
- 四番茶 :9月~10月にかけて摘んで製造されるお茶
緑茶に含まれるカフェインは、興奮作用を持つ精神刺激成分で「覚醒作用」「強心作用」「利尿作用」がある事が知られていますが、近年では「脂肪燃焼効果」も確認されているのです。
茶葉は暖かい南の地域から摘み取りが始まり、桜前線と並んで北上します。
茶葉のカフェインは、発芽の時から出来始め、4月~5月にかけての一番茶の第一葉に最も多く含まれています。
5月初め頃の茶葉には特に含有量が多く、それをピークに少なくなります。
さらに、カフェイン含有量は日照時間に影響され、日光を遮って栽培されるお茶に多く含まれます。
つまり、一番茶は、二番茶に比べると、カフェイン含有量が高いと言う事なのです。
ちなみに、一番茶は旨味成分のテアニンが、二番茶の3倍以上あり、旨味の高いお茶となっています。
まとめ
一番茶は新茶とも呼ばれ、その年最初に育った新芽を摘んでつくったお茶のことす。
新茶は、渋み成分のカテキン・苦み成分のカフェインの含有量が少なく、旨み成分のテアニンの含有量が多いため、さわやかな香りが特徴の旨味の高いお茶です。
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